気球撃墜問題で米中が非難の応酬

この問題は世界の実情を探るうえでとてもよい事例で興味深いですね。

民主主義のアメリカは選挙で選ばれる大統領や議員が支配層ですから彼らは世論=選挙を意識せざるを得ません。外国に対してあまり弱腰では選挙に負けてしまいます。一方の中国は共産党の一党独裁国家ですので党幹部、正確には主席が支配しています。したがって世論ではなく共産党内の権力構造やメンツを意識することになり、やはり弱腰外交は通用しません。どちらも内政問題が外交問題に直結することになります。

親中のバイデン政権はできれば撃墜することなく気球をやり過ごしたかったのではないかと推察します。実際、カナダ上空での発見からサウスカロライナ州沖での撃墜まで気球は無事にアメリカを縦断しており「偵察を許した」ことに変わりはありません。しかし最後は「対中弱腰姿勢」を免れるために撃墜した…。背景には昨年末の下院選挙で対中強硬派の保守党が過半数を握ったことで突き上げがあったことは想像に難くありません。

【ラジオニュースを聴いてみる】

US Secretary of State Antony Blinken and China’s top diplomat Wang Yi have traded accusations over the US downing of a Chinese balloon.

アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官と中国の外交トップ・王毅氏は、アメリ カによる中国の気球の撃墜を巡りお互いに非難し合った。

たらればの話ですが、もしトランプ政権だったらどうなっていたか。想像ですが国籍不明の飛行体として早い段階で「さっさと撃ち落とした」のではないでしょうか。そして「外国勢力の侵略からアメリカを護った」とPRしたことでしょう。「中国」を名指ししないことで外交問題にもならなかったと思います。アメリカを護るという大義の下、国境に壁を作って移民を追い返そうとしたり、関税を上げて外国製品の流入を抑えようとした大統領ですからそう考えるのが普通な気がします。

中国は、偵察気球を飛ばしたのは当然ながら主席の指示。それがばれたとなれば主席のメンツ丸つぶれです。そこで主席が関わっていない「民間」の気球だと言い張りつつ、証拠が出ては困りますから気球を「確保」ではなく「撃墜」して破壊してしまわないといけない。バイデン政権はそんな中国の望みを叶えつつ、対中弱腰のレッテルをうまく取り除いたわけです。

つまりは茶番です。アメリカと中国は見た目ほどは緊張関係にありません!出演者の皆さん、お見事としか言いようがありません。その証拠に、中国のメンツを護っって貸しを作ったアメリカがその対価としてロシアに対するサポートをやめるよう中国に要求しています。これこそが外交ですね。

そんな中、漁夫の利を得たのは岸田政権。この機に乗じて部分的であれ平和憲法の下での国内での武器使用を認めさました。

真実など存在しない、いいえ、いくつもの真実が存在するのが現実社会です。それが垣間見れた、私の妄想を掻き立ててくれる出来事でありニュースでした。

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