好きに生きたいですもの

50歳を過ぎて、いつしか出世にも興味はなくなり、大金にも興味は薄れ(ジャンボ宝くじは毎回欠かさず10枚買うけれど)…。家もある、車もある、海外旅行も楽しんだ。恋も遊びもそれなりに体験してきて、ことさら欲しいとも思わないし…。とはいえ決して無欲ではない自分がいます。

50歳を大きく通り越した今の私の欲は、何かものが欲しいとかではなくなっていて「好き」という価値軸になるのかな、それを大切に「時間」を過ごしたいなあ、そんな感じになっています。自分にとっていい時間を過ごしたい、それは家族と過ごす時間だったり、仲間と過ごす時間、自分が価値ありと思うことに没頭する時間、好きな仕事をする時間…。そんな欲になってきている気がします。

今はその欲を満たして幸せになりたい。もっと幸せになりたい。ただ単に欲の基準が変わっただけですね。ほんとうに贅沢な奴です、私って奴は…。

とはいえ「健康」と「お金」はいつだって大切です。この二つのどちらかが欠けても幸せにはなれないだろうなあと思っています。なのでこれからもこの二つは何より大切にしておきたいところ。

50歳の落ちこぼれ

50歳の時の健康診断結果は体重75キロ、体脂肪率30%弱、BMI値ではついに肥満に分類され、その他の数値も明らかに不健康を示していました。運動不足に飲酒、好きなものばかり食べてきた報いですね、鏡に映る太った自分の姿に幻滅して鏡を避ける毎日。仕事にも意欲的になれない日々が続いて収入も大幅ダウン。人生100年と言われはじめた時期に、そのちょうど中間地点にいた私は未来に進む自信を失った50歳の落ちこぼれでした。

それでも「とにかく不健康から脱出したい。何とか痩せよう」とは思いました。しかし過去に挑戦したダイエットはすべて失敗に終わっています。以前はジョギングしたりスポーツクラブに通っていましたがそれも続かず。失敗ばかりが思い出されて自信も解決策も行動もない絶望状態が続いていました。

そんな凹んだ日々を送る中で、ふと「駆けっこしたいなあ」という思いが頭をよぎりました。本当に突然のことでした。そういえば子供の頃、運動会ではいつもリレーの選手でした。思いっきり走ること、勝負することが大好きでした。「懐かしいなあ、もう一回、走りたいなあ…」

今が駆けっこする最後のチャンス。そんな言葉が浮かんできました。「今はじめなければもう一生走れないぞ」とお天道様に言われた気がしました。長い間、駆けっこのことなんて忘れていたはずが好きなことができなくなると思った瞬間、恐怖まで感じました。そして「やる」と決意しました。

変化…

不思議なもので、駆けっこ、つまりは短距離走をやると決めた日からはじめたダイエット、というよりも減量は順調に進みました。その時に私が選んだのは食事制限でした。とにかく無駄に食べないことを徹底しました。以前は「痩せるために運動する」といった半端な選択だったように思います。それが「走るためにまず痩せる」、「痩せるために食べない」に変わったとたん続けられた。また「走りながら痩せよう」とも考えなかった。「まず痩せる」。ちょっとした違いのようで考え方を変えるというのはほんとうに大切なんですね。不可能が可能に変わりました…。この時の食事制限の内容についてはまた別の機会に触れますね。副産物として食費が減ってお金も節約できましたし…。

51歳の誕生日までの3か月で10キロの減量に成功した一方で、GOOGLE検索からはじめて細い糸をたどりたどりしながら何とかマスターズ陸上の関係者にたどり着くこともできました。

そして忘れもしない51歳になりたての7月。マスターズの大会を見に来ないかと誘われて奈良の鴻池陸上競技場(現ロートフィールド)に出向きました。この日が今の私につながる「陸上短距離走」との出会いとなりました。

南国の海のように美しい青いトラック。そこを私と同い年の選手が競いながら100メートルを駆け抜けていく。ゴールの瞬間、電光掲示板に映された11秒98という数字。 まさに衝撃的でした。

これ、やるぞ!

あれから7年が経ちましたが、今でもこの時の光景が色あせることなく思い浮かびます。時にきつい練習で苦しくなったり、ケガをすることもありますが、この時の思いが続ける原動力になっています。気づけば陸上競技が生きがいになっています。 いつしか肥満体も不健康な数値も他人事になり、失っていた自信も取り戻しました。現在の体重は65キロ、体脂肪率11パーセントです。100メートルを12秒前半で走ります。

好循環…

陸上をはじめてしばらく経ち自信を取り戻しはじめたころ、オンデマンドコースというビジネスモデルに出会いました。もともと 30歳から45歳くらいまではインターネット業界と関わっていましたし、何より面白そうだったのでこのビジネスモデルに打ち込んでみようと思いました。今から5年ほど前です。

それ以来、妻のあをいさんが講師を務める英語のリスニングを鍛えるコースを作っては月に3本ずつ配信してきました。気が付けばバックナンバーが144本(6月19日現在)になっています。

あをいさんは英語を教えるのが三度の飯より大好きで、2時間のレッスンは重労働ですが疲れ知らずで笑ってやってのけます。レッスンを教室で生徒さん相手に行えば人数×2時間の価値を生み出すことができます。ウェビナーを使って大人数を相手にすることも可能で、例えば100人が相手だとすると100人×2時間の価値となります。これをオンデマンドにすると∞×2時間の価値が生み出せます。つまり2時間の労働が莫大な価値となり大きな収入を生み出す可能性を持つということです。うまくいけば好きなことを仕事にしながら時間もお金も手に入れられる、そんな最高のビジネスモデルです。

私は陸上の練習が大好き。なので練習嫌いの方や練習メニューに困っている人に届けばいいなあ思い個人として「50歳からはじめる陸上短距離走」 というオンデマンドコースを作りはじめています。完成したらご案内しますのでぜひ一度、ご覧くださいね。 多くの人に楽しんでもらいたいし、もしうまくいけば 好きなことを仕事にしながら時間もお金も手に入れられる最高の人生になります。

あをいさんや私のように、好きなことを仕事にしたい人が大勢おられる一方で、どういうコースをどうやって作ればいいのかわからない、サイト運営がわからないなどで敷居が高いと感じ踏み切れない方が多いことも知りました。そこで手軽にオンデマンドコースが持てるお手伝いをするマーケットプレイスを作って開放しようということで”PHILOS ACADEMY”をはじめました。こちらは私の会社の仕事です。

今の思い…

50歳の時に「駆けっこがしたい」という言葉を拾ってからの7年間はまるで「わらしべ長者」のように楽しく転がりながら過ごしてきました。そのベースには好きなことに時間を使おうという新しい生き方への強いあこがれがあったように思います。そしてその思いが人生を新しい方向に導いてくれたのだと。

58歳になった今、より多くの人に自分のコースを持って欲しいなあと心の底から思っています。もちろん誰もがうまくいくわけではありませんが、経験から言うと、自分の思いや経験、知識を文字にしたり映像にしたりと何かしら「形にするのが好き」な人が向いているように思います。そんな仲間と出会い助け合っていければこれからの人生、素晴らしいんじゃないかと思っています。

もう一つ。「駆けっこしようよ」いう提案もお忘れなく。昔、足が速かった人、走るのが好きだった人、速く走ることに憧れのある人…に年齢を忘れて駆けっこをはじめて欲しいと思っています。そして一緒に練習したり、試合に出たりできれば素晴らしいなと。51歳ではじめた陸上が私のライフワークになりました。このままうまくいけば100歳くらいで世界新記録が狙えそうです。もちろん「健康に生きてこそ」ですが(笑)。

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