高校の授業料無償化(税金化)を盛り込んだ予算案が衆議院を通過しました。高校無償化を自・公が飲むことを条件に維新が予算案に賛成に回ったという流れです。一方、国民民主党が主張した所得控除を178万円にする案は骨抜きになりました。減税派が増税派に押し切られた感じです。
以前にもお伝えした通り私は税金化反対派。義務教育でもない高校の授業料を税金で賄う理由が分からない、百歩譲って、公立高校までなら…という考えを持っています。実はこの背景に「教育と学習の違い」という信念があります…編集後記に続く。
カナダではトルドー首相の辞任に伴いマーク・カーニー氏が新首相に選出されました。当選を受けての会見でカーニー氏はすぐさまアメリカの高関税に対して対抗措置を発表。また「地球温暖化対策」を政権の最重要事項に据えていくなど反トランプ氏と思われる発言をしていました。
その後、カナダからアメリカに輸出する電力に高関税をかける対抗措置はアメリカによるさらなる対抗措置を前に翻され、さっそくトランプ氏に振り回される形になりました。
またサウジアラビアでは、ウクライナとアメリカがウクライナ戦争停戦に向けての協議を行いました。トランプ大統領は今後、ロシアのプーチン大統領とも停戦について協議する予定です。世界はトランプ大統領の登場で大きく動いているようですね。
我が国は内向きな議論ばかりの気がしますが、大丈夫なのでしょうか。
★
教育と学習の違い。皆さんはこの違いを考えたことがありますか?
PHILOSでは「教育は国(社会)や親が与えるもの」であり「学習は本人が求めるもの」と言うように定義をしています。
さて、国が教育を与えるのは日本人として必要最低限の知識や技能を幼少期に国民に身につけさせることが目的です。したがって教育範囲は国家観や倫理観といったものから言語、自然科学、歴史、体育…と広範に及びます。これらの習得は半ば「強制的」ですから、公教育には理想の日本人像について国民の合意を得た明確なビジョンとそれに沿ったカリキュラムが必要です。そして公教育はその目的ゆえに公金で賄われるべきものです。
親が教育を与えるのは子が個性を伸ばしながら大人に育って、豊かに幸せに暮らしていけるようにすることでしょうか。この場合、親が子になって欲しい日本人像は必ずしも国が望むものと同じではありません。より高いところに設定しがちです。そこで校風の良い私学に通わせたり、塾に通わせたり、自ら教えたりするわけです。この教育は自由であるがゆえに自費となります。
ところで国にせよ親にせよ、我が国のルールでは教育を与える期間は中学卒業までとなっています。親はそこまで子を学ばせる義務を負います。これが我が国の憲法に明記された義務教育というやつですね。
ここが重要で、中学を卒業させることで国も親も教育から解放されます。同時に子も教育から解放されます。そして中学を卒業してからは自由な「学習機会」が存在するだけになります。すっかり当たり前になった高校進学も本来は「本人が求めて進む」ものですし専門学校もそう、その後の大学もそうです。すべて学習機会です。
子の中学卒業を機に、親は「子が学びたいことを支援する」のが本来の姿ですが、実際は「子に教育を与え続ける」親が多いという感じでしょうか。これは親子の性格や関係性によるところが大きく影響するところですね。私自身は「学習支援型の親」でありたいと思っていますが実際はなかなか難しい…。
ここまでが私の考えです。何となくご理解いただけましたか?同意する、いや意見が違うというのはここでは別問題にしておいてください。
こういう考えのうえで私は、中学卒業後の高校進学や専門学校への進学と言った「高等学習の補助や奨学金」を行うことに異議はありません。本人が求める学習をサポートするのは大賛成です。しかし高校無償化には断固反対。それは高校教育化だからです。これは我が国の「教育」の概念の大転換で、国が高校卒業まで国民を教育することを意味します。
つまり「いいんですか?18歳まで国に教育されて…。」といった感じです。
それでも百歩譲って「公立高校」の無償化=教育化なら理解します。なぜなら「公教育には理想の日本人像についての合意を得た明確なビジョンとそれに沿ったカリキュラムが必要」だからです。今現在の公立高校にこれらがあるとは思いませんが、今後、明確にすることで理論上はアリということになります。特に公立高校では年齢的なことも踏まえて中学までの教育よりも職業訓練の色彩を強い、例えば工業科、商業科、IT科、医療看護科、土木建築科などに特化した高校を再編成するなど、改革が行われればさらにアリと思っています。
私学?自由な将来像と自由なカリキュラムが魅力です。そもそも公教育になじみません。その自由さゆえに自費。そのうえで私立高校に進む際には学習支援として本人への「学費の補助か奨学金」があればいいなと思っています。国や行政が直接、私学にお金を入れることには断固NO!です。
このように私自身は高校無償化=教育化=税金化には問題が山積していると思っています。全国で無償化が実施されるまで少し時間があるようですので、もう一度、議論を深められればと思っています。
今日の最後に。PHILOSはあなたの大切なお金をお預かりして学習支援をさせていただいております。あなたの夢に実現までしっかりと伴奏させていただきます。引き続きお付き合いのほど、よろしく願いいたします。
投稿者プロフィール

- 茅ケ崎方式英語のスクールを経営して27年になります。講師ではなくブログやニュースレターを書き、学習者さんや先生のフォローする役割です。趣味はラグビーと陸上トラック競技。59歳の今も週末は試合に出ています。家族は、ヨガとテニス好きの妻・推し活に夢中の娘・2匹の犬。大阪市在住。
最新の投稿
令和の徒然草2025年3月14日高校無償化に異議を申す!
令和の徒然草2025年2月26日外圧で「消費税」は動くのか?
令和の徒然草2025年2月12日USAIDが閉鎖。動き出したトランプ政権…
令和の徒然草2025年2月7日マスメディアの劣化を憂う

\
無料!読者登録のご案内
/
読者登録すると毎週のニュースレターとともに
読者限定の㊙情報や🉐情報が手に入ります。