日曜日に投開票された衆議院=House of Representatives 選挙。自民党・公明党の連立与党が過半数の233議席を大きく下回る惨敗=crushing defeat 。一方、国民民主、れいわなどの小規模野党=opposition party が躍進。設立からわずか1年足らずの政治団体の保守党が114万票を獲得し、総数の2%を超えて国政政党に名乗りを挙げました。「変化」を感じさせる選挙結果でした。
下の表は比例における各党の得票数です。この表から、自民党が一気に500万票以上失ったことが分ります。意外に維新が300万票近く票を減らし、第3政党から第5政党に陥落です。一方、国民は前回の倍以上の票を獲得し第3政党に。れいわも大きく票を伸ばしました。参政は衆議院選挙は初めてですが前回の参議院選挙からほど同数の票を得ていますから政党として安定してきたのでしょうか。大幅に議席を増やしたとはいえ得票数を見ると立憲が勝った選挙ではないのが一目瞭然です。共産も票を減らし、社民に至っては政党要件を満たすことができませんでした。次回選挙に存続をかけることになります。
どうですか、テレビから伝わってくる情報と数字が示す情報とは少し違いませんか?
こんな感じで私は数字で見るのが大好きです。
ここからは私の勝手な推測です。
まず自民党の敗北に関しては、何があっても選挙に行って自民党に投票するという岩盤支持層が、自民党の内向き体質に愛想をつかせて今回は「選挙に行かない」という選択をしたのではないかと思っています。政治と金の問題は重要であり、一方では永遠の課題でもあり、この1点に固執して前例のないような決定を下した石破政権にNOを突きつけたのではないでしょうか。
立憲は従来通りの戦法で、独自の政策はなく政権批判に明け暮れました。その結果、新たな支持層を獲得することなく横ばいの数字でした。議席を増やせたのは石破さんのおかげ以外に原因が見つかりません。
さて、注目の国民民主党です。私は「手取りを増やす」というキャッチフレーズと「所得控除額の見直し」が無党派層に刺さったのだと思います。10月末のこの時期、バイトさんやパートさんの多くは103万円の壁を意識し始めます。年間の所得が103万円を超えると控除から外れていろいろな問題=働くと損が出るため働き控えが起こります。バイトさんパートさんは年の瀬に向けて働いて稼ぎたくても稼げない、年末の需要を見込む会社や店舗は働き控えによる人手不足で大打撃、そんな労使ともにメリットのない制度に振り回されるわけです。まさにこのタイミングで「具体的な解決策」を提示したのが国民民主だったと思います。その結果、無党派層に刺さり、投票へと向かわせたのではないかと推測しています。
ところで今回の選挙の投票率は前回より2%減の52%ほどとのこと。我が国の有権者はおよそ1億人で1%=100万人ですから選挙に行った人が5200万人。自民支持者で選挙に行かなかった533万人で投票率5.3%減、一方、国民の新たに獲得した票数が357万で投票率3.6%増。この2つを相殺するとちょうど2%くらいになります。
公明、共産、社民が票を失った原因の一つは高齢化ですが、それ以外の表はれいわ、参政、保守党に流れたのではないかと考えています。今後もしばらくはこの傾向が続くように思います。地域政党色の強い維新は国政でどうなのでしょうか。
まとめると、今回の選挙、自民党岩盤層に嫌われた石破さん。国政を預かる身としてどうなのでしょうか。総理の椅子に居座るような感じですが党内外からは辞任要求の声が上がっています。一方で300万人以上の「選挙に来なかった人々」に投票させた国民民主党の功績は大きいと思います。議席も増え玉木代表の発言にも重みが増しています。
もう一つ、難しい政策を並べ立てるよりも国民すべてにメリットのあるワンイシューの政策を掲げることが選挙を戦ううえで重要なことを示したように思います。特定の団体の利益代表が政治家になり実権を握り利権をむさぼるような時代が終わりに近づいているように思います。
さあ次回は来年夏の参議院選挙。国民民主が掲げたようなワンイシューは何か?私は消費税減税と思っています。不法移民にNO!でも賛同します。果たして皆さんはいかがでしょうか。
投稿者プロフィール
- 茅ケ崎方式英語のスクールを経営して27年になります。講師ではなくブログやニュースレターを書き、学習者さんや先生のフォローする役割です。趣味はラグビーと陸上トラック競技。59歳の今も週末は試合に出ています。家族は、ヨガとテニス好きの妻・推し活に夢中の娘・2匹の犬。大阪市在住。
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