長嶋茂雄さんご逝去。どう肩書を書いていいのか悩みましたが必要ありませんね。読売ジャイアンツ不動の三塁手にして9連覇の立役者。プロ初試合では国鉄金田投手から4三振。天覧試合では阪神村山投手からサヨナラホームラン。ミスタージャイアンツ。ミスターベースボールと称された輝かしい選手時代。そして「我がジャイアンツは永久に不滅です」の名言を残し引退。巨人が初めて最下位に沈んだ際の迷監督。ペナントレース5度、日本シリーズ2度制覇の名監督。数々の?語録。長嶋イングリッシュ…。愛称は「ちょうさん」。一茂のパパ。国民栄誉賞。晩年は脳梗塞の後遺症と戦いながら野球界の発展に貢献してこられました。享年89歳。
私の印象では我が国のテレビの発展とともにその最前線で活躍して来られた方と言う感じでしょうか。試合から私生活まで報道され、長嶋さんをテレビで見ない日はありませんでした。まさにスーパースターでした。昭和100年を迎えた今年、テレビの劣化が叫ばれる中、長嶋さんの訃報を聞いて一つの時代が終わったなと感じる同世代の方も多いのではないでしょうか。
心より深くお悔やみ申し上げます。
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私は昭和40年生まれ。私よりほんの1⁻2歳上なら長嶋の選手時代を知っている人が多数なんですが、私の年は長嶋引退が小学校2年生なので友達含めて選手時代の長嶋の記憶がほとんどないんです。見たことがあるのも実際はほとんど録画でナマ長嶋は監督からと言うのが本当のところです。
そんな私の小学生時代はまさにテレビの全盛期で、そのゴールデンタイムと言われた19時から21時には巨人戦があれば必ずどこかのテレビ局が生中継していました。つまり日本人最大の娯楽であったテレビの主要コンテンツが巨人戦で長嶋さんは常にその中心にいたと言う感じです。
巨人戦のない月曜日のゴールデンタイムを押さえていたのはテーマ曲「あかるーいナショナール」のナショナル(現パナソニック)劇場。「水戸黄門」「大岡越前」「江戸を斬る」といったそうそうたる時代劇群。
土曜日のゴールデンタイムに巨人戦に真っ向から挑んだのはドリフの「8時だよ!全員集合」という最高視聴率50.5%、平均視聴率27%と言うお化け番組。野球を見ない人は全員こちらを見ていたと言って過言ではありませんでした。
週休1日時代の日曜日。午前中は子供向けアニメの「パルナス劇場」。お昼は「スター誕生」に「家族そろって歌合戦」そして17時30分には「笑点」、大相撲開催中はチャンネルの奪い合い。そして18時は「さざえさん」。これらもすべてお化け番組でした。
当時の大衆娯楽と言えばなんといっても無料のテレビ。民放各社が視聴率をめぐって必死に売れるコンテンツを作ってました。情報源がテレビに偏っていたため、テレビに広告を出せば売れるということでスポンサーには当時の大企業がずらっと並んでいました。番組1本買いのスポンサーは軒並みテーマソングを作成。
ナショナルはこちら
東芝はこちら
武田薬品はこちら
ロート製薬はこちら
カギっ子だった私は学校から帰ってきてみる16時からの再放送が何よりの友達。ベストフレンドは杉良太郎さんの「当山の金さん」や「大江戸捜査網」でした。16歳の時に「アイドルを探せ!」的なものだと騙されて出場した演歌歌手のオーディションで歌ったのは金さんの主題歌「すきま風」(笑)。残念ながら次点で敗退。因みに優勝は無錫旅情の尾形大作。一歩間違えたら私が尾形大作だったかも知れません。いい思い出です。
そのテレビの繁栄も今は昔。インターネットの普及により庶民の情報源や娯楽が多様化するなか「オールドメディア」の代表として語られ、影響力を下げ続けています。経済的な理由からか、ドラマを作ったりせず、芸人が日本中を食べ回るような番組や、芸人やタレントがMCを務める報道もどきのバラエティー番組ばかりが目立ちます。「スター」も「お化け番組」もそこにはありません。
とにかくテレビをつける。そんな習慣もなくなりました。見るのは有料のコンテンツか、テーマの尖ったYoutube動画。同世代の皆さんはどうですか?
長嶋さんのご逝去とともに古き良き昭和をいろいろと思い出し、またいろいろと考えてしまいました。
ああ、昭和のテレビ、万歳!
投稿者プロフィール

- 茅ケ崎方式英語のスクールを経営して27年になります。講師ではなくブログやニュースレターを書き、学習者さんや先生のフォローする役割です。趣味はラグビーと陸上トラック競技。59歳の今も週末は試合に出ています。家族は、ヨガとテニス好きの妻・推し活に夢中の娘・2匹の犬。大阪市在住。
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