コメ不足解決の切り札としてセクシー進次郎が農林水産大臣に就任しました。この難局に自民党、いや日本政界が誇る「ザ・世襲議員」の登板です。

早速、コメは安価で消費者に届くよう政府備蓄米を「随意契約」で流通業者に販売することを決めました。この効果が出始めるのは6月中旬、5キロ2,000円台になるのではと推測されています。

コメの値下がりありがたいことではありますが、進次郎氏の就任以前から準備されていたこの政策をあたかも彼の手柄のように報道するマスコミは相変わらずですね。

そんな折、NHKに出演した際に「備蓄米は減価償却する」といった頓珍漢な発言をするなど相変わらずの進次郎節がさく裂!していました。どこでどう誤解したのかは知りませんが、この程度の間違いが分からない知識レベルでコメ問題の核心に近づけるのか、凡人の私にははなはだ疑問ではあります。ろくに英語もできないのに米コロンビア大学院に入学し優秀な成績で卒業した彼ですから、凡人には及びもつかない何かを持っているのでしょうね。編集後記に続く…

農林水産省ホームページから。

政府としては、以前から、国民の主食であるお米について、不作の時でも国民が安定的に食べられるようにしていたところですが、1993年にはお米が大凶作(だいきょうさく)となり、消費者の方々がお米を求めてスーパーに殺到(さっとう)しました。この経験を踏まえ、いつでもお米を供給できるよう、1995年からは、法律により、国によるお米の備蓄を制度化しました。 現在は、100万トン(10年に一度の不作にも供給できる量)を備蓄しています。


続いてNHKホームページから。

毎年約20万トンずつ、合わせて5年分=100万トン程度が全国300余りの倉庫に保管されています。5年間利用がなかった場合、家畜の餌として販売されているということです。

農水省のホームページから分かることは「100万トン」の備蓄が法律で決められているということです。同時にNHKホームページから「毎年20万トンを買い替える」ことが分ります。

当初、政府は21万トン(1年分)を放出すると発表しました。しかしながらこれだけでは価格上昇を止められず追加放出を決定しました。それでも価格上昇はおさまっていません。その原因が「入札」だと指摘されたため、ここにきての「随意契約」です。ここでよく考えないといけないのは「入札」が高止まりの本当の原因だったのかということです。識者は入札制度の欠陥、つまり「備蓄米は国有財産なので安く売って損を出してはいけないため高値になりがち」と指摘し、さらに「入札の95% はJAにより独占されているため競争原理が働かず暴利を得ている」と指摘しました。

確かに入札価格が高価だったことは事実ですが、JAが暴利をむさぼった事実はありません。JAは適正利益を得た後、その先の卸売業者に転売しています。コメは価格高騰だけでなく品薄でもありますから、コメは卸売業者が「さらなる価格の高騰」を見込んで売り控えていると考えるのが妥当でしょう。

では今回、随意契約が決まったことで卸売業者が売り控えたコメが流通し、コメ価格の下落とコメ不足は解消するのか。答えは「一時しのぎ」に過ぎないと思います。

随意契約用に用意されたコメは30万トン。このうち約10万トンが大手スーパーなどで5キロ2000円台で販売されることになりました。コメの年間消費量は600万トンとも言われますから10万トンは雀の涙。多くの人がスーパーに殺到して購入することが予想されます。そしてコメがなくなればまた随意契約で追加購入…。そんな感じでしょうか。

ここで問題の核心を突いておきたいと思います。備蓄米の量は法律で決まっていますから今回の放出分は近い将来、早ければ今秋にも政府によって「買い戻される」ます。その結果、秋以降もコメ不足は続く、ということが分っています。なので業者はそれ以前に倉庫に眠っているコメを急いで吐き出すことはしません。

あああ…って感じですね(笑)。

ここで私の意見を。政府はすぐにでも「今回放出した備蓄米の補填は輸入米で補う」と発表することです。これで2025年産のコメが市場に流通することが確定します。先の品薄感が下がるので価格も下がり、在庫も徐々に放出されると思います。

そもそも備蓄米は5年の備蓄期間の後に大半が飼料用として放出されてきました。今回、輸入米を備蓄したところで数年後に飼料になるだけです。人が食べないのですから「旨い不味い」の議論など不要です。それに「安い」。

次に増反政策の推進です。コメ農家には作れるだけ作ってもらい当面の間すべて政府(JA)が買い取り、それを優先順位①国内の食用、②国内の飼料用、③輸出に向ける。時間はかかりますがやるしかありません。

そして…。私たちももっとコメを見直しましょう。いま小麦粉で作っている食品をコメ粉に替えられないか、トウモロコシで作っている食品をコメに変えられないか、知恵を絞りたいところです。私は数年前から大好きなポテトチップを控えて国産のコメせんべいを食べるようにしています。中国産の亀田製菓は買いませんが…。また家では米粉のパンやお好み焼きを食べるようにしてきました。意外においしいです。今年は我慢ですがコメが安定したら再開しようと思っています。

世界は脱グローバル化に進んでいます。お金さえあれば世界中から何でも買える時代は終焉を迎えようとしています。その結果、食料自給率の低い国にとって食料確保が安全保障上の大問題になろうとしています。その点から食料自給率の低い我が国は危機的状況です。今こそこのコメ不足のピンチをチャンスととらえて、自前で食料を確保できる国に立ち戻って、国民生活の安全を守って欲しいものです。我が国のコメの増産は安全保障問題の核心です。

最後におコメの応援歌で締めくくりたいと思います。

投稿者プロフィール

いちぜんや
いちぜんや
茅ケ崎方式英語のスクールを経営して27年になります。講師ではなくブログやニュースレターを書き、学習者さんや先生のフォローする役割です。趣味はラグビーと陸上トラック競技。59歳の今も週末は試合に出ています。家族は、ヨガとテニス好きの妻・推し活に夢中の娘・2匹の犬。大阪市在住。

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