トランプ大統領が相互関税と非関税障壁に関する大統領令に署名。アメリカとの貿易額が大きい国々は戦々恐々です。我が国のマスコミも騒ぎ出していますがまずはトランプ大統領のXでのダイレクトメッセージを紹介します。
On Trade, I have decided, for purposes of Fairness, that I will charge a RECIPROCAL Tariff meaning, whatever Countries charge the United States of America, we will charge them - No more, no less!
For purposes of this United States Policy, we will consider Countries that use the VAT System, which is far more punitive than a Tariff, to be similar to that of a Tariff. Sending merchandise, product, or anything by any other name through another Country, for purposes of unfairly harming America, will not be accepted. In addition, we will make provision for subsidies provided by Countries in order to take Economic advantage of the United States. Likewise, provisions will be made for Nonmonetary Tariffs and Trade Barriers that some Countries charge in order to keep our product out of their domain or, if they do not even let U.S. businesses operate. We are able to accurately determine the cost of these Nonmonetary Trade Barriers. It is fair to all, no other Country can complain and, in some cases, if a Country feels that the United States would be getting too high a Tariff, all they have to do is reduce or terminate their Tariff against us. There are no Tariffs if you manufacture or build your product in the United States.
For many years, the U.S. has been treated unfairly by other Countries, both friend and foe. This System will immediately bring Fairness and Prosperity back into the previously complex and unfair System of Trade. America has helped many Countries throughout the years, at great financial cost. It is now time that these Countries remember this, and treat us fairly – A LEVEL PLAYING FIELD FOR AMERICAN WORKERS. I have instructed my Secretary of State, Secretary of Commerce, Secretary of the Treasury, and United States Trade Representative (USTR) to do all work necessary to deliver RECIPROCITY to our System of Trade!
For many years, the U.S. has been treated unfairly by other Countries, both friend and foe.
もう少し続くのですがこの先はXでお読みください。
全文はこちらから
文中の太字のVATとは Value Added Tax の略で「付加価値税」と訳します。VATとはEUやアジアなどの国で物品やサービスの提供の際に課される税金のことで日本の消費税に似ています。 日本の消費税との大きな違いは商品やサービスの内容によってそれぞれ異なる税率が設定されていることです。
そして憶測を呼んでいるのが下線の文章、この標的は我が国ではないかという点です。懲罰的VATとは消費税を指す…。さらに続く文章では「補助金」や「貿易障壁」についても言及。そして「長年、米国は友好国と敵国の両方から不公平な扱いを受けてきました」と記しています…編集後記に続く。
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相互関税と非関税障壁を関税とみなす大統領令を受けて我が国のマスコミはいきなりの「あおり報道」をしています。論調はこんな感じ。
現在、アメリカが輸入自動車に課している関税が2.5%。EUの同関税が10%ということからアメリカも10%に上げる見通し。もし日本に対しても10%を課すとなるとアメリカへの輸出額の30%を占める我が国の自動車産業が大打撃を受ける。一方でアメリカ国内での生産には関税はかからないため日本の自動車メーカーの現地生産が進む。これらにより雇用が減少し我が国のGDPは数%減少する…。トランプ、けしからん!
これ、正しくないです(笑)。アメリカが掲げる相互関税は国と国との公平な関係を保つことが主眼ですからEUとの間の関税率がそのまま我が国に適用されることはありません。現在、我が国がアメリカ車の輸入に課している関税率は2.5%で相互関税が成り立っています。したがって後半も正しいとは言えない。
では問題がないのかというと答えはNO!我が国の輸入関税率は2.5%だが非関税障壁はないのか。例えば中国製EV車への補助金。ガソリン車が大半のアメリカ車においてのガソリン税、ガソリンにおける税の二重取りなど、アメリカから見て不公平と思われるものが複数あります。これらを事実上の関税とみなしてアメリカ側が関税を2.5%から上げることは十分に考えられます。そうなると前述の話が現実味を帯びてくる…。
食料品に目を向けてみましょう。我が国はアメリカから莫大な額の「小麦・肉」を輸入しています。VATを採用する国の多くは食料品の税率をゼロ、もしくは数%程度に抑えています。これに対して我が国の消費税は一律10%。アメリカやEUから「懲罰的」と言われる所以です。食料品の税率が下がれば消費が活性化し輸入促進にもなることから、消費税を非関税障壁として認める可能性は大いにあります。すると今以上に輸入関税を下げるか、アメリカ側の関税引き上げになります。我が国の場合、食料安全保障と国内農家の保護の観点からこれ以上の関税引き下げはできないでしょう。といってアメリカ側の関税引き上げにも同意できない。とすれば残る選択肢は国内の「非関税障壁の除去」で消費を活性化するという道筋が見えてきます。つまり…
先週「外圧で日本が変わる」可能性を書きましたが、もしかすると今後のアメリカの要求次第で世界でも例をみない懲罰的な「消費税」にメスが入るのかもしれません。加えてガソリン税やEV補助金などにもメスが入るかも知れません。我が国の為政者は国民の声は無視でもアメリカの声は無視できませんから。
個人的には相互関税と非関税障壁を関税とみなすアメリカの政策は悪い面もありますが、我が国の将来にとってはいいことの方が多いように感じています。まだ何も分かりませんが…。
あれ、マスコミでは先日の日米首脳会談が大成功!と報じていましたが、この相互関税の話などまったく出てきていませんでした。本当に成功だったの?
最後に…我が国の為政者ども
消費税下げろ!
所得税下げろ!
ガソリン税下げろ!
社会保険料下げろ!
中抜き、すな!
金を配るな!
追伸。
たばこ税と酒税も非関税障壁とアメリカに切り込まれました。
投稿者プロフィール

- 茅ケ崎方式英語のスクールを経営して27年になります。講師ではなくブログやニュースレターを書き、学習者さんや先生のフォローする役割です。趣味はラグビーと陸上トラック競技。59歳の今も週末は試合に出ています。家族は、ヨガとテニス好きの妻・推し活に夢中の娘・2匹の犬。大阪市在住。
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