LAでは山火事から始まり、住宅地をも飲み込むとんでもない規模の火災が広がっています。映像を通してですが空爆を受けたみたく=like being bombed 灰になってしまった住宅地がいくつもあり、まだ鎮火のめども立っていないとか。セレブ達が暮らす山麓の高級住宅地も次々に火に襲われています。
気象の専門家によると、今年は偏西風=westerly winds がアメリカ大陸の手前の海上で北に蛇行し、その後、アメリカ大陸上で南に蛇行するという例年にない動きを見せているとのこと。そのためLAでは雨が降らず乾燥が進む一方、LA北部の山から吹き下ろす季節風をふたたび蛇行して南下してきた偏西風が後押しする形になって記録的な強風となっているそうです。
この乾燥と強風が大火につながったという見立てです。サンタ・アナと呼ばれる季節風は最大で22m/秒、時速換算で80キロ、もはや台風です。これくらいになると火と熱風は真横から来ますから20m程度の道路幅やお隣りとの間隔では家屋の延焼をくい止めるなどほぼ不可能。なす術もないようです。
この火災を受けて20日に大統領に就任するトランプ氏は政治の無策が招いた人災=man-made disaster だとカリフォルニアやLAの責任者を非難しています。民主党が圧倒的に強い地域ですので共和党のトランプ氏としては批判しやすい背景もあります。
この偏西風の蛇行がもたらした乾燥と強風という自然現象と、政治の無策が掛け合わさって広がったとされる未曽有の大火災。一日も早い鎮火と復興を祈るばかりです。
実はこのニュースの裏側で、金融界に激震が走っています…。
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ロイター通信によると、2050年までに温室効果ガスの実質排出ゼロを目指す資産運用会社でつくるグループ「ネット・ゼロ・アセット・マネジャーズ・イニシアチブ(NZAMI)」は13日、活動を一時停止すると発表しました。この数日前には資産運用世界最大手の米ブラックロックがNZAMIからの離脱を発表しています。
少し説明を加えます。NZAMI加盟社は実質排出ゼロ目標を支持し、企業の株主総会=shareholders' Meeting などで影響力を行使することを誓約しています。同グループのウェブサイトによれば、現在325社以上が署名し、資産運用総額は57兆5000億ドル以上(1ドル160円換算で9200兆円以上)となっています。ブラックロック社はこのグループのリーダー格で、このビッグマネーを背景にCO2削減を先頭に立って進めてきた資産運用会社です。
以前からCO2と地球温暖化との相関関係に疑問を呈していた科学者は大勢いました。CO2による温暖化を肯定しつつも地球全体のCO2排出量に比べて人によるCO2削減量はあまりに些少で果たして効果があるのかと疑義を呈する者もいました。しかしながらこれらの意見は封印され、地球温暖化の原因はCO2だ、人類がCO2の排出量削減に全力を尽くさねば地球は滅びる、といった意見ばかりが世界を席巻してきました。これに大きな影響を与えてきたのがブラックロック社であり、NZAMIのビッグマネーです。
そのうえでこの記事を簡単にまとめると「親分格のブラックロック社がCO2削減はもう商売にならんからやーめた」と発表したことで、追随してきた会社がパニック状態!ということでしょうか。結論に関していえば「ようやく終わった」という印象です。
トランプ氏の再登板を機に世界は大きく動き出しましたね。日本の脱炭素を軸とした多くの政策にもおいおい影響が出てくることでしょう。今後、太陽光発電や風力発電を推進する企業などへの投資が鈍る可能性が大です。電気自動車への投資も再検討されるでしょう。一方で化石燃料=fossil fuels への投資が再開するかも。あなたの資金の投資先は「温暖化対策」に偏っていませんか?それはそれで危険かもしれません。そんなことも含めてしばらくはCO2をめぐる世界の動向から目が離せません。
投稿者プロフィール
- 茅ケ崎方式英語のスクールを経営して27年になります。講師ではなくブログやニュースレターを書き、学習者さんや先生のフォローする役割です。趣味はラグビーと陸上トラック競技。59歳の今も週末は試合に出ています。家族は、ヨガとテニス好きの妻・推し活に夢中の娘・2匹の犬。大阪市在住。
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