同級生が58歳でアルバムデビュー！

このレターを書いている今日は18日火曜日、窓の外はどんより曇り空、朝からずっと雨が降り続いています。ようやく遅い梅雨入りでしょうか。いつもの散歩道のアジサイ=hydrangeaたちも今朝はきっと大喜びしていることでしょう。もう一息、頑張って咲いていて欲しいものです。

さて、今日は私の中学2年から大学まで仲良しだった同級生の話をさせてください。彼女は小学校からピアノを習っていて中々の腕前でした。さらに勉強も得意でした。そして中学受験して同志社中学校に入学してきました。ここまでは順風満帆=smooth sailing、自信満々の13歳の女の子だった！

ところがそこからは挫折の連続…。中学に入ったとたんに小学校ではトップを争っていた成績がクラスの真ん中になって「あれ？」って感じ。まったく目立たない存在になってしまったそうです。同志社中は難関校だったので仕方ないことではあったのですが…。参考までにまぐれ合格の私は中学1年の1学期はクラス48人中45位（笑）。下の3人と合わせてバカ4人衆と呼ばれほとんど見捨てられた存在でしたが。

話を戻して、彼女には得意のピアノでも挫折=setbackが。1学期の後半に合唱コンクールがあり、そこではクラスで一人だけ代表でピアノを弾くのが習わしでした。彼女は自分が選ばれると確信していたそうですが結果は落選。運悪く同じクラスに後に世界的に活躍するピアニストがいて相手にならなかったそう。悔し涙をこらえて、コンプレックスだった低音のハスキーボイスでコーラスに参加…。

彼女の名は佐伯弘美。ニューヨークでジャズシンガーとして長く活躍してきましたが、この春、58歳にしてアルバムデビューしました！すごい快挙です！

HIROMI SAEKI : When The Moon Shines Upon Us

そんな彼女が本日6月19日（水）午後11時からNHKラジオ「ラジオ深夜便」に出演します。大学卒業まで決して得意ではなかった英語で生活し、プロとして歌ってきた苦労話や、英語習得法も聞けるかなと楽しみにしています。皆さんもよかったら聞いてみてください。

詳しくはこちらから ⇒ NHKラジオ深夜便サイト
お聞き逃しは ⇒ NHKラジオらじるらじるサイト

平凡な成績、ピアノでの敗北…。中学1年生でそんな苦い経験を経た彼女と私が仲良くなったのは中学2年生で同じクラスになってから。なので中学1年の挫折当時の彼女のことは知りません。

私が知りあった頃の彼女はバレー部のセッターで小柄で元気溌剌。京都弁でズケズケとものをいう男勝りな子でした。京都以外の人には意外でしょうけれど、京都人同士は歯に衣着せず、かなり辛辣な物言いをします。特に中学生くらいの年頃では女子が圧倒的に強いので男子はみな気おくれして話もできません。幸い私は二人の恐ろしい姉たちに日ごろから鍛えられていたこともあって仲良くなれたのだと思います。

高校でもバレー部で頑張っていました。3年生の頃には同級生全員が退部してしまった後も孤軍奮闘していたのを覚えています。当時から決めたらやり抜く、そんな根性がありましたね。

大学2年までは一般教養で顔を合わす機会がありましたが、3年になると接点がなくなり疎遠になりました。かれこれ10年ほどの友人関係ということになります。

確か20歳からホテルなどでピアノを弾くバイトをはじめたと聞きました。そこでジャズの魅力に触れ、少し歌うようになったときに「師匠」に出会ったそうです。師匠は彼女のコンプレックスだった低音のハスキーボイスを絶賛してくれたそう。それがきっかけで歌の道に進むことになり、その後、縁あってニューヨークに単身渡ったのだとか…。

実は彼女とゆっくり話したのは数年前のプチ同窓会の時で約30年ぶりでした。それ以前にも彼女のライブには足を運んでいましたが、そこに至る経緯などをゆっくりと話す機会がなかったのです。そしてその時初めて中学の時に成績とピアノで挫折したことを話してくれました。「私かって10代のかわいい女の子やってんで。そんなかっこ悪い話、はずかしいて男子にはよおせえへんわ。」と笑って話していました。でもそれを聴いて「あの挫折が絶対に彼女の原動力や」と感じました。

話が英語に及ぶと「高校時代は落第すれすれ」とのこと。それは知っていました（笑）。今ではペラペラですが「勉強と違うねん。英語は生活の道具そのものやから、できな生きていけへんやん。そんなんもう必死やで」といっていました。生活の道具、必死かあ、そらそやなあ…。あっ、このべたな京都弁、分からはります？

まあ、どうでもいい話でしたね（笑）。とにかくアラカンの同級生、佐伯弘美が頑張っています。ぜひラジオを聴いてやってください。そして彼女のアルバムはこちら。タワーレコードでも売ってます。オンラインでも購入できます。みなさん、佐伯弘美を御贔屓に。